作業履歴があるECUの修理料金

最近、ご自身でECUの修理を行ったものの、症状が改善しないとのことで修理をご依頼いただくケースが増えてまいりました。自ら原因や解決方法を研究し、挑戦することは大変素晴らしいことです。しかし、専門知識・技術を持たずに作業した場合、逆効果になることが多いのも事実です(「作業履歴のあるECUについて」もご覧ください)。
なによりも心配なのは、作業の失敗でコンピューターが機能しなくなり、愛車を手放さざるを得ない最悪のケースになることです。代替部品がない(入手しずらい)からこそ現品は大切に扱わなければなりません。そのような思いから、私たちは自己修理を推奨していません。たとえ修理歴があっても、もちろん弊社ではしっかりと修理し、高い品質をご提供します。しかし、下記のとおり修理歴がないものと比較すると作業工数は大幅(1.5~2倍)に増えます。

1.あらたな損傷の発生

慣れない作業は、高い確率で基板損傷(スルーホール逸失)や回路断線などの「二次被害」を誘発します。結果、あらたな損傷が発生することになり作業範囲が拡大します。

2.諸作業の増加

例えば、高度かつ繊細な技術を必要とするはんだ付け作業を「経験が浅い状態」で「専用の機器を用いず」に適切な作業を施すことは困難です。その場合、抜本的に基板の補修作業を実施する必要があるなど、本来不要だった作業が必要になります(状態によっては修理不能な場合もあります)。

3.情報の損失

誤って規格の異なる部品に交換した結果、元々の部品の情報が分からなくなることがあります。例えば、トランジスタと呼ばれる部品は、同一形状で1,000以上の種類があり、専門知識がなければ正しいものを選択することは困難です。また、チップ部品には規格が印字されていないため、仮に欠落している場合は、そもそもどの部品を実装すれば良いか分からなくなります。つまり、修理の「手がかり」が失われることになり、場合によっては修理不可能となるリスクがあります。

上記のとおり、修理履歴がある場合は、通常修理と比較すると「より多くの時間と工数」がかかります。したがって、「作業の迅速性確保」および作業履歴がないお客様との「料金不均衡」を是正するため、作業履歴がある場合は、通常料金に加えて追加作業費「上限7,700円(税込)」を頂戴しておりますことをご了承ください。