1. 今回は弊社サービスのリフレッシュメニューについてご紹介いたします。今回ご紹介するリフレッシュを実施したお車は1977年式MS105クラウンです。

ラベルのトヨタのロゴからもわかるように、40年前のECUとなります。80年代付近の自動車はインジェクション化され始めた時代であり、ECUも現代のものとは設計や基板も異なります。

上記写真のように部品の実装面は片面のみとなり(当時は表面実装部品は使用されていません)、プリント基板のつくりも現代のものとは大きく異ることがわかります。

まずは目視にて点検を行いますが、抵抗(画像では緑色の部品)の劣化が見受けられます。抵抗の中央部分が熱により変色しています。

取り外して測定したところ、抵抗値の減少がありましたので、抵抗体の変質により負荷が増大するという悪循環となっていたと想定できます。また、写真の通り基板にも焼損が発生しています。穴が空くほどではありませんが、補強のため除去を実施した焼損部に、特殊な樹脂を使用して焼損基板補修をおこないます。

インジェクタ駆動部も最近ではほとんど見られない、TO-3のトランジスタが使用されています。比較的負荷がかかる部分であり経年劣化も進んでいるため交換を実施いたします。もちろん、互換性のある(当時よりも耐久性のある)新品の部品を発注して交換を実施いたします。ただし、特殊ルートの調達のためお時間がかかることもあります。

同時に絶縁用のシートもシリコンの放熱性のすぐれたシートへ交換を行います。

他にも、経年劣化部品である電解コンデンサはすべて交換を行います。さらには電源部の故障原因となりやすい部品の交換を実施したり、専用機器で測定を実施し問題のある部品を交換していきます。(写真は”電解”ではなく”セラミック”のコンデンサです。)

そして、ここからが一番手間のかかる「はんだ修正」の作業です。実体顕微鏡にてはんだ付け部位をひとつひとつ確認・修正します。ここまで入念にチェックを行うのには理由があります。このタイプの基板は片面にのみ実装されるタイプのため、自動車用途では「クラック(=ひび割れ)」による故障が非常に多いためです。

実体顕微鏡を使用すると目視ではわからないクラックも見落としません。

また、この時代の基板はスルーホール(基板を貫通するトンネル上の銅のパターン)ではなく、写真のようにリード線で裏表の回路を接続しています。表側のはんだも入念にチェックと修正を行います。

はんだ修正では、盛り直し(既存のはんだも含めてはんだを入れ直す)ではなく、入れ替え(古いはんだを除去した上ではんだし直す)を行います。

目視点検、部品交換、はんだ修正の他にも端子部分の酸化膜除去や基板清掃(虫の死骸やクモの巣を見かけることはよくあります)を行い、最終的に品質確認を実施いたします。

 

仕上げに防湿絶縁コーティングを基板全体に塗布いたします。基板実装工程でも使用される、基板専用のコーティング剤をスプレーガンにて塗布します。スプレーガンを使用することにより、気温湿度に応じて希釈割合やエア量も調整し、常に最適な状態で塗布することが可能です。スプレーガンひとつとってもさまざまなタイプを検証し、均一かつ厚い被膜を形成できる吹圧やエアー量、ノズル径のものを採用しています。

また、採用するコーティング剤も製造メーカーの性能試験により、防湿性や絶縁性はもちろん、耐ガス性など様々な性能が証明されている高品質のコーティング剤です。弊社では耐久性の問題から簡易的な緑色のソルダーレジスト補修液等は一切使用していませんのでご安心ください。

そして、最終的に基板や部品に影響を及ぼさない温度プロファイルの乾燥設備を使用することにより、見た目も美しくかつ頑丈な皮膜の仕上げを実現しています。

コーティング完了後、最終的な品質試験を実施した後に丁寧に組み上げて完成となります。

このように、リフレッシュではコンデンサの交換だけでなく、「蓄積した修理の経験を元にECUの全体的なリフレッシュ」を実施いたします。メーカーや車種、年式によってウィークポイントも異なりますので、都度最適なリフレッシュメニューを組み上げて作業を実施しています。大切な愛車のリフレッシュをご希望の際はお気軽にお問合わせください。


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